【医師監修】女性の薄毛について、原因と対策や最新の治療について知りましょう

2021-10-13

近年、薄毛に悩む女性は増加傾向です。もはや薄毛は男性特有の悩みではありません。

この記事を見ている方の中にも自分が薄毛なのではないかと不安に思っている方がいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は女性の薄毛に焦点を当てて見ていきます。原因やご自身で可能なヘアケアの方法、専門のクリニックで治療が必要なケースなど、医師監修のもと詳しく解説していきますので是非参考にしてみてください。

薄毛に悩む女性が増えているって本当?

薄毛に悩む女性はどれくらいいるの?

薄毛に悩む女性は具体的にはどのくらいいるのでしょうか。データを参照しながら、その数を分析してみましょう。

ホットペーパービューティアカデミーが女性25,000人に対して実施した「薄毛に関する意識調査2020」によれば自分を薄毛であると回答した女性は全体の7.8%です。また、薄毛でない人でもそのうちの27.3%は薄毛に対して不安があると回答しました。

また、実際に薄毛の対策をしている人は全体の約21%という結果になりました。(ホットペーパービューティアカデミー:薄毛に関する意識調査2020)

また女性の人口は日本全体で6,440万人(総務省統計局:令和3年2月平成27年国勢調査を基準とする推計値,令和3年7月概算値より)なので、この割合を当てはめてみると、約502万人の女性が薄毛を自覚しているようです。そして、薄毛対策を行っている人は約1352万人にも登ります。

日本人女性の5人に1人が薄毛対策を行う現代は、たとえ女性でも薄毛に対する危機感が高まっていると判断できそうです。

一般的な女性の薄毛の特徴とは?

女性の薄毛で多いとされているのがびまん性脱毛症と呼ばれる症状です。「びまん」は広がり・はびこるという意味の言葉で、「頭皮全体が薄くなること」が特徴として挙げられます。頭頂部や前頭部から部分的に薄毛が進行する男性の薄毛とは対照的です。

男性の薄毛、つまりAGA(男性型脱毛症)はDHT(ジヒドロテストステロン)という男性ホルモンが影響していると言われています。DHTは同じく男性ホルモンの一種であるテストステロンに5αリダクターゼという酵素が結合したものです。

この5αリダクターゼが前頭部や頭頂部に多く存在するため、AGAはそれらの部位から徐々に進行していきます。

一方で女性の薄毛は加齢やホルモンバランスの乱れ、ストレスによる自律神経の乱れ、偏った食生活など様々な要因が絡み合って引き起こされるケースが多いです。そのため、髪全体に影響するびまん性脱毛症となってしまうと考えられます。

女性の薄毛はFAGA もしくは FPHL と呼ばれる

女性の薄毛は「FAGA(女性男性型脱毛症)」という名称で呼ばれることがあります。これはAGAの語頭に女性を意味する「Female」を付けたものの略称です。

AGAは男性ホルモンの影響で引き起こされますが、女性の薄毛もAGAと同じメカニズムで引き起こされる場合があります。

女性は閉経を迎える40~50代になると女性ホルモンの分泌量が減少していきます。そして、もともと男性よりも少ないとはいえ男性ホルモンは一定量分泌されているので、相対的に男性ホルモンが増加し、抜け毛に繋がってしまうのです。

もともとFAGAは女性の薄毛全般を意味する語として使用されてきました。しかし、上述のように女性の薄毛には様々な要因があり、必ずしもAGAと同じ原理で薄毛になるわけではないということが研究によって分かってきました。

そのため、「FPHL」という言葉が新しく登場します。これは「女性型脱毛症」という意味でfemale pattern hair lossの略です。このFPHLはFAGAをはじめとする女性の脱毛症を総合的に含む概念となります。

 

女性の薄毛の原因について

原因①加齢

薄毛の原因としてまず最初に挙げられるものが加齢です。とくに女性の薄毛は更年期以降に発症する率が高くなります。

これは年齢を重ねる毎に髪質が細く柔らかくなり、頭皮が露出しやすくなることが主な要因です。

髪の毛が細くなっていく理由としてはヘアサイクルのに乱れが挙げられます。髪の毛は太く長く成長していく成長期、成長が止まる休止期を経て退行期に脱毛し、生え替わっていきます。

通常であれば成長期が2~6年続くため髪のボリュームは減りません。しかし、年齢を重ねると成長期が短くなり、休止期が伸びていくため成長していない短くて細い毛の割合が大きくなるのです。

原因②ホルモンバランスの変化

髪の成長には様々なホルモンの働きが関わっており、ホルモンと髪は切っても切れない関係です。そのため、ホルモンバランスが変化することでも薄毛は引き起こされると言われています。

とくに女性で影響が大きいのは閉経前と閉経後のホルモンバランスの変化です。多くの場合、閉経後は女性ホルモンの分泌が減少します。

もともと女性ホルモンには髪の毛を抜けやすくしたり、長く成長するのを助けたりする働きがあり、女性ホルモンが減ったことでその働きが弱まるため抜け毛が増加するのです。

また、前述のように女性にも男性ホルモンは分泌されており、女性ホルモンが減少すると相対的に男性ホルモンの割合が高まってしまいます。そうなると男性ホルモンの働きが活発になりAGAと同じ原理で薄毛が進行してしまうケースも考えられます。

原因③遺伝

AGAの発症には5αリダクターゼの活性率やホルモン受容体の感受性が大きく影響し、これらの要素は遺伝すると言われています。

そのため、AGAと同じ原理で進行してしまう薄毛の場合は女性であっても遺伝の影響を受けると言えるでしょう。

また、髪質や体質なども薄毛に少なからず関係しています。したがって、血の繋がっている家族や親族に薄毛の方がいる場合は薄毛になりやすい体質を受け継いでいる可能性は高まります。

原因④病気

なんらかの病気を原因として薄毛の症状が現れる場合もあるため注意してください。甲状腺の異常や膠原病、腎不全など全身性の病気がその例です。

また、消耗性疾患や貧血も脱毛・薄毛に繋がる可能性があります。髪に十分な栄養素が行き渡らなくなるからです。消耗性疾患の場合はそもそも髪に必要な栄養素が足りなくなり、貧血の場合は栄養を運ぶ血液が不足してしまいます。

このように抜け毛は身体の異常を示すサインとなっていることも考えられます。もし心当たりがある場合は一度医師の診断を受けるようにしましょう。

原因⑤生活習慣

生活習慣も髪の健康に大きく影響する要素の1つです。

具体的には、まず食生活の乱れや無理なダイエットによる食事制限が挙げられます。栄養に偏りが出てしまうと、髪の成長に必要なアミノ酸や各種のビタミンが不足し薄毛の原因となります。

多忙などで十分に睡眠が取れないこともNGです。髪の成長を促すホルモンは睡眠中に多く分泌されるため、しっかりと寝る必要があります。

また、ストレスを溜めない生活を心がけることも大切です。ストレスはホルモンバランスの乱れに繋がることに加えて、血行不良の原因にもなります。血の巡りが悪くなると、頭皮の毛細血管から栄養を受け取っている毛髪にも悪影響を及ぼします。

血行不良を引き起こすという意味では喫煙や運動不足も改善すべき生活習慣だと言えるでしょう。

まず自分でできること、ヘアケアから実践してみよう!

①洗う前のケア

シャンプーは髪の健康と清潔を保つために重要なことではありますが、同時に髪に負担のかかる行為でもあります。そのため、洗う前からきちんと準備することが大切です。

しっかりとブラッシングをして、髪に付いている汚れを一度落としましょう。そして、プレオイルと呼ばれるシャンプー前に使用するタイプのヘアオイルで髪のケア、頭皮のマッサージをしていきます。

マッサージをする際は頭皮を擦らずにゆっくりと下から上に向かって血液を通わせるように行うことがコツです。

乾いているうちに油分を馴染ませておくことで、シャンプー後の髪の毛がパサツキにくくなり、マッサージで血流を促進しながら頭皮の汚れや付着物を取ることができます。

 ②正しいシャンプー・トリートメントの使い方

ますシャンプーの選び方ですが、頭皮に負担をかけにくい「アミノ酸系の洗浄成分」を主成分としたものがおすすめです。

頭皮や髪の成分に近いアミノ酸は、直接肌に触れても低刺激なことが特徴です。洗浄力も強すぎないため必要な油分まで根こそぎ洗い流してしまうリスクも軽減できます。

そして、実際に洗う手順ですがまずはお湯で髪を洗います。2~3分程度、髪を濡らすのではなく洗い流す感覚でシャワーしましょう。このときお湯の温度は38度くらいのぬるま湯に設定し、熱くなりすぎないように注意してください。

お湯洗いが済んだら、シャンプーをしていきます。シャンプーは一度手元で泡立て、洗う際は爪を立てずに指の腹を使うことがポイントです。髪の生え際から頭のてっぺんまで優しくマッサージするように洗いましょう。

しっかりと洗えたら、シャンプーが残らないように時間をかけて洗い流します。洗剤が頭皮に残っていると薄毛を引き起こす原因となりかねません、入念に行うようにしてください。このときもお湯の温度はぬるま湯に設定しましょう。

トリートメントは、シャンプー後、毛先からしずくが垂れない程度に水気を切ってから行います。最初に毛先から髪の半ば程度まで付けたら、余った分を頭頂部に付けましょう。髪全体をベタベタにする必要はありません。

その後、5~10分ほど髪に成分が浸透するまで放置します。このとき温かいタオルなどを髪に巻くとより効果が高まります。内部まで十分にケアするためにはすぐに洗い流さないことが大切です。

 ③お風呂の後のヘアケア

しっかりトリートメントまで行い、ぬるま湯で洗い流したら髪を乾かしましょう。いきなりドライヤーを使うのではなくまずはタオルドライをします。

このとき、ゴシゴシ擦ってしまうと抜け毛や枝毛の原因となってしまうので、優しく押し当てるようにしてください。

タオルドライが完了したら、頭皮に美容液タイプの育毛剤を使用しましょう。これによって、ドライヤーの熱で頭皮が乾燥してしまうことを防ぎます。とくにドライヤーは髪にも頭皮にもダメージが大きいのであまり時間をかけずに手早く終わらせることが大切です。

ヘアケアでも改善しない場合、専門のクリニックによる治療が必要かも

女性の薄毛は3つのタイプに分けられる

女性の薄毛は大きく分けて「男性型」「加齢変化型」「休止期脱毛症」という3つのパターンに当てはめることができると言われています。

これらは血液検査によって大まかに判別され、検査に異常がなければ「男性型」あるいは「加齢変化型」と診断されます。

「男性型」はつまり男性型脱毛症の女性版、FAGAを指します。上でも述べたとおりホルモンバランスの変化によって男性ホルモンの割合が増えると発症する可能性が高まります。内用薬・外用薬による治療が一般的です。

「加齢変化型」は60~70代に発症する薄毛のことで文字通り加齢を原因とします。治療法としては男性型脱毛症と同様です。

そして、血液検査の結果で異常が出た場合は「休止期脱毛症」と診断されます。休止期脱毛症は甲状腺疾患や肝機能障害、腎機能障害などで引き起こされるケースがあり、治療のためにはまずその原因となっている病気を特定することが大切です。

女性の薄毛の主な治療法

薄毛の原因や症状によっても治療法は異なりますが、代表的なものとしては「薬による治療」、「LEDによる治療」、「メソセラピー」、「植毛」などが挙げられます。

まず「薬による治療」ですが、もっとも一般的な治療法として用いられており、多くのクリニックが取り扱っているものです。主に薬によって男性ホルモンの働きを抑制したり、発毛に必要な栄養素を補ったりすることで薄毛を治療します。処方される薬には飲むタイプの内服薬と塗るタイプの外用薬があります。

次に「LEDによる治療」について説明します。これは発毛するために重要な毛母細胞まで届き、刺激を与えられる赤い色のLEDを頭皮に照射する治療法です。日本皮膚科学会作成の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017 年版」に「行うよう勧める」と評価されており、薄毛治療として一定の効果を認められています。

そして、「メソセラピー」は頭皮に成長因子や必要な栄養素を配合した薬剤を直接注入する治療法です。この薬剤には明確な定義がないため、クリニックによって成分に違いがあります。薬剤治療など他の治療と組み合わせることも可能です。

最後に「植毛」ですが、これは人工毛あるいは自分の毛根を薄毛の部分に移植するという治療法です。現在では自分の毛を移植する自毛植毛のほうが主流となっています。自然な仕上がりで薄毛を目立たなくさせることができる点は魅力ですが、薄毛の原因を治療してからでないと再び抜けてしまうリスクがあるため注意しましょう。

女性の薄毛の治療でよく使用される薬

代表例① ミノキシジル 

ミノキシジルはもともと高血圧の治療薬として開発された経緯のある薬です。その副作用として多毛症が頻発したことから発毛・育毛に転用されるようになりました。

作用としては血管を広げて頭皮の血行を促進することで、髪に必要な栄養素が効率的に届くようになります。それによって毛母細胞を活性化させる効果が期待できるのです。

ただし、効果が強い分、かゆみや頭痛、めまい、動悸などの副作用が表れる可能性があります。とくに妊娠中の女性は胎児の心臓に大きな負担をかけるため注意が必要です。医師とよく相談した上で処方してもらいましょう。

基本的には塗り薬として使用されますが、場合によってはタブレット状の内服薬で処方されることもあります。

代表例②パントガール

パントガールはドイツの製薬会社が開発し、女性の薄毛治療に効果があると認められた女性用育毛剤です。

直接的な発毛作用を持つ成分は配合されていませんが髪の毛の成長や頭皮環境を改善するための栄養素を供給してくれます。

また、主成分がサプリメントに近いため強い副作用などは報告されていません。ただし、未成年や妊娠中、授乳中の場合は服用できないため注意してください。

代表例③スピロノラクトン

スピロノラクトンはとくに「男性型」の脱毛症に効果を発揮する薬剤です。男性ホルモンのジヒドロテストステロン(DHT)の働きを抑制することで抜け毛を防ぐ効果が期待できます。

ただし、もともと利尿薬として用いられる薬であるため、頻尿などの副作用が出る恐れがある点は注意が必要です。また、男性ホルモンを抑制することでホルモンバランスが崩れ、生理不順などを起こすケースも報告されています。

女性の薄毛治療のクリニックはどのように選べば良い?

①女性を専門にするなど治療実績が豊富なクリニックをおすすめ

専門性の高さはクリニックを選ぶ上で1つの指標となります。なぜなら、専門で発毛治療を行っている場合、当然ですが治療実績やノウハウも発毛に特化し、効率的に経験・技術を高めることが可能だと言えるからです。

とくに女性の薄毛はその原因や症状が多岐にわたるため、症状を判別し適切な治療提供を行うのは易しいことではありません。しかし、経験豊富なクリニックであれば過去の症状やデータなども蓄積されており、それらを参照することで信頼度の高い判断も下しやすいです。

メソセラピーのようなクリニックによって違いの大きい施術や植毛のような技術を必要とする治療を考えている場合は、とくに専門性の高いクリニックへ相談することをおすすめします。

②治療方針が明確であること

上で解説してきたように薄毛の症状や原因は人によってさまざまです。そのため、その人にあった治療法の選択が大切になります。クリニックを選ぶ際はどのような基準で治療を行っているか、つまり「治療方針」について事前に確認するようにしてください。

また、自分が受けたい治療や気になる治療がある場合はカウンセリングで聞いてみたほうが良いです。クリニックによっては特定の治療しか取り扱っていなかったり、1つの治療に特化していたりすることもあるので、そこもしっかりと確認しておきましょう。

③治療料金が明確であること

料金はクリニックを比較する上で非常に重要な要素です。治療後のトラブルにも繋がりやすい部分なのでできる限り明確な料金を提示しているクリニックを選ぶようにしましょう。

また、ホームページの書かれた料金表だけを見て比較することもリスクが高いです。ある程度クリニックが絞れた場合は実際にカウンセリングを受けるなどして見積もりを出してもらうようにしてください。そうすることでより現実的な料金で比較できます。

また、薄毛治療は保険適用外となるケースが多く、継続して治療を続ける必要があるので、治療費が高くなる傾向にあることを覚えておきましょう。

そのため他と比較してあまりに料金が安い場合は粗悪な薬剤を利用したり、経験の少ない医師が担当していたりするケースも考えられます。そうなると治療期間が長引いたり、効果が出なかったりとトータルの費用はむしろ高くついてしまいかねません。

料金が重要なことは確かですが、同時に料金だけでクリニックを選ぶことも控えるようにしましょう。

リアス銀座クリニックは女性の薄毛専門のクリニック!丁寧にサポート致します。

リアス銀座クリニックでは患者様に寄り添い、医学的根拠に基づいた発毛治療をご提供する薄毛治療専門のクリニックです。単なる治療に留まらず、薄毛の温床となる生活の改善、発毛に対する不安のケアまでを総合的にサポートいたします。

当院の特徴はまずその専門性の高さです。当院には発毛専門医が在籍し、無料の頭皮診断を実施しております。そのため、患者様お一人おひとりで異なる頭皮の状態を正確に診断し、専門的な視点から適切な治療方法を提案することが可能です。

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リアス銀座クリニックでは、全ての薄毛に悩まれる患者様に喜んでいただきたいという想いから、高品質な治療を2980円~ご用意しております。また、初診・再診料、カウンセリングに加えて毎月の血液検査も無料です。

もし薄毛についてお悩みの場合は、ぜひお気軽にご相談ください。

まとめ

今回は女性の薄毛治療について詳しく解説してきました。薄毛に悩む女性は決して少なくありません。薄毛かなと悩んでいる場合はクリニックでカウンセリングを受けてみましょう。早期に治療を行うことで回復に繋がることもあります。

また、女性の薄毛は男性の薄毛に比べて原因が複雑になるケースが多いと言われています。そのため治療の際は専門性の高い発毛に特化したクリニックを選ぶことがおすすめです。

監修医師リアスクリニック医師団
患者様の共通する悩みは、「生やしたい」「薄毛を改善したい」ということ。この悩みを改善し発毛を実現するのが医療機関の使命だと思っております。そして、治療を終えた後、すべての患者様が笑顔と自信を持って帰られることが当院のあるべき姿です。この想いのもと日々診療を行っております。

【所属学会】
日本皮膚科学会
日本美容皮膚科学会
日本形成外科学会
日本美容外科学会
日本アンチエイジング学会
日本乳房オンコプラスティックサージェリー学会

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