【医師監修】ミノキシジルとは?効果や副作用等、治療薬の基本を解説します
ミノキシジルは薄毛治療薬として多くの方に処方されています。市販の発毛剤にも配合されており、非常に知名度の高い薬です。
しかし、なぜ薄毛に効くのか、どんな副作用があるのかなど具体的なことまでは知らないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は医師監修の下、ミノキシジルについてその効果からリスク、選び方まで詳しく解説していきます。ミノキシジルが自分に合っているかどうか判断する参考にしてみてください。
目次
ミノキシジルとは?
ミノキシジルの概要
ミノキシジルとは正確には薬の名前ではありません。薬に含まれる成分の名前を指します。日本では各社からミノキシジルを配合した薄毛治療薬が販売されており、海外ではRogaine(ロゲイン)という薬剤が有名です。
もともとは高血圧を治療するための内服薬として1979年にアメリカのアップジョン社(現ファイザー社)が開発した薬剤に使用されていました。しかし、副作用として多毛の症状が現れたため、発毛剤の成分として注目を浴びるようになったのです。
そして、さらに研究が進められ、1988年アメリカの臨床試験で確かな有用性を示したことで、発毛剤として認められました。現在では日本を含む90カ国以上で薄毛治療に用いられています。
基本的には外用薬として用いられ、頭皮に塗るタイプの薬剤が主流です。タブレットタイプの内服薬もありますが、副作用のリスクを伴うため個人の判断での使用は推奨はされていません。
ミノキシジルの主要な成分
ミノキシジルはそれ自体が成分名なので、主要な成分はミノキシジルとなります。
その他には肌の代謝を助けるビタミンB6製剤であるピリドキシン塩酸塩や抗酸化作用を持つビタミンE製剤のトコフェロール酢酸エステルなど、発毛をサポートする成分も用いられるケースが多いです。
また、有効成分ではありませんが、薬剤を乾きやすくするためのエタノール、PHを調整するための調整剤などが添加物として配合されます。
ミノキシジルの効果・作用
ミノキシジルにはどの様な効果があるのか
ミノキシジルはもともと高血圧の治療薬として用いられていた背景からも察せられるように、血管を広げる作用があります。それにより期待できる効果が血行促進です。
また毛母細胞と呼ばれる毛根の細胞を活性化させる働きも知られています。
ミノキシジルの毛髪・薄毛に対する効果
毛髪が正常に成長するためには毛根にある毛母細胞が細胞分裂を行わなければなりません。また細胞分裂には髪の材料となるタンパク質やミネラル、ビタミンなどの栄養素が必要です。そして、それらの栄養は頭皮の毛細血管を通して毛根に運ばれていきます。
ミノキシジルの血管を広げる作用により、その毛細血管の血行が促進されます。それによって毛髪に栄養が補給されやすくなることで、毛母細胞が活性化し、新しい髪の発毛や毛髪の成長が促されるのです。
発毛剤の有効成分として認められる数少ない成分であり、期待できる効果も大きいですが、その分副作用のリスクがある点には注意しておきましょう。
ミノキシジルの女性への効能
ミノキシジルは基本的には男性だけでなく女性も使用できます。日本皮膚科学会による「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」でも男性女性両方の治療で推奨度A(行うよう強く勧める)の評価を得ている唯一の治療法です。
ただし、妊娠している女性がミノキシジルを使用する場合は注意してください。ミノキシジルは血管に作用するため心臓に負担がかかり、胎児に悪影響を与えるリスクがゼロとは言い切れません。
また、女性は出産後に女性ホルモンが減少する影響で薄毛を発症するケースがあります。ミノキシジルは飲むのを止めるタイミングと、出産後のホルモンバランスの崩れとが重なると薄毛が再び進行する可能性があります。
そのようなリスクがあるため、女性用のミノキシジルは男性のものよりも濃度が低くなっています。
ミノキシジルの効果が出るまでの期間
髪は一定の周期で生え替わっており、これが乱れると薄毛になってしまいます。そのため薄毛を治療にするには髪の生え変わり周期=ヘアサイクルを正常に戻さなくてはなりません。
このヘアサイクルは、2~6年程度で繰り返されるので、ミノキシジルの効果を実感するためにもある程度の期間が必要です。
その人の体質や処方される薬によっても差はありますが、一般的には4ヶ月~半年程度で効果を実感できると言われています。
ミノキシジルの副作用・注意点とは
ミノキシジルを使用してはいけない人(禁忌)
ミノキシジルは大きな効果が期待できる分、リスクも有るため使用の際は注意が必要です。
使用を避けたほうが良いとされるのは、
●高血圧・低血圧の人
●心臓または腎臓に障害がある人
●妊娠中の女性
●妊娠する予定のある女性
●未成年
●高齢者
●頭皮に傷や炎症がある人
●他の薬を使用している人
●脱毛の原因がわからない人
●ミノキシジルにアレルギー症状を起こしたことがある人
などが挙げられます。ミノキシジルを使いたいと思ったらまずは医師に相談し、本当に使用しても大丈夫なのか確認するようにしましょう。また、内服する場合はとくに影響が強くなる傾向にあります。
ミノキシジルの副作用①:初期脱毛
初期脱毛とはミノキシジルを使用しはじめた時期に毛髪が抜け落ちる現象です。せっかく発毛剤を使ったのに脱毛が増えるため驚くと思いますが、これは正常な反応なので過度な心配は要りません。
ミノキシジルによって毛母細胞が活性化すると、成長し終えた髪が一斉に抜け落ちていくため、一時的に脱毛が増えるのです。
ただし、通常であれば2ヶ月程度で収まるため、もし長期間脱毛が続くようであれば医師に相談してみましょう。
ミノキシジルの副作用②:立ちくらみ・めまい
ミノキシジルを内服した場合に見られる副作用として立ちくらみやめまいが挙げられます。概要でも説明したようにミノキシジルは高血圧の治療薬として用いられていました。そのため、血圧を低下させる働きがあり、その影響で立ちくらみやめまいを引き起こす可能性があります。
ミノキシジルの副作用③:動悸・息切れ
こちらもミノキシジルを内服した場合に起こりうる副作用です。薬の効果によって毛細血管が拡張されると血行が良くなり、動悸や息切れを感じる場合があります。継続して服用を続けることで身体が慣れていくため、徐々に収まっていくケースがほとんどですが、長期間続くようであれば医師に相談しましょう。
また、毛細血管の拡張によって神経が圧迫され頭痛の原因となる可能性もあります。
ミノキシジルの副作用④:皮膚炎
外用薬として頭皮に塗った際に、かぶれやそう痒感(かゆみ)などの副作用が起こる場合があります。これはミノキシジルの成分に対してアレルギー反応を起こした場合に見られるものです。
そのため、肌が弱かったり、以前に塗り薬などでアレルギーが起きたりしている人は事前に医師に伝えるようにしましょう。また、ミノキシジルを使用していて肌に合わないと感じた場合も同様に相談するようにしてください。
ミノキシジルの副作用⑤:手足や顔のむくみ
ミノキシジルを使用すると末梢の血管が拡張して、そこに多くの血液が流れるようになるため身体の中枢の血液量が減ります。それによって脳が「血液量が足りない」と判断してしまうと、血液が多く作られて、むくみを引き起こす可能性があります。
ただし、この副作用も一時的なことであるケースがほとんどです。しかし、稀ではありますが心臓の異常によって引き起こされていることもあり、こちらは放置すると危険です。少しでも違和感がある場合は必ず病院で診てもらってください。
ミノキシジルの副作用⑥:多毛症
ミノキシジルを服用すると頭皮だけでなく、全身に影響を与えます。その結果、毛髪以外の毛も伸びたり増えたりする場合があります。これは逆に言えば薬がしっかりと効いているということでもあるのですが、気になるという人も少なくありません。
もしどうしても我慢できないという場合は医師と相談して薬の量を調整したり、別の治療に切り替えたりして対処します。
ミノキシジルの副作用⑦:肝機能障害
ミノキシジルを内服した場合、肝臓によって代謝されるため、肝臓に対するある程度の負荷は避けられません。非常に稀なケースですが、他の要因などが重なって肝臓に大きな負担がかかり続けた場合に肝不全などの重篤な障害が発生する可能性もあります。
沈黙の臓器と呼ばれ、自覚症状の出にくい臓器なので、定期的に検査を受けて異常がないかを確認するようにしましょう。
ミノキシジルの副作用⑧:心臓病
稀有な副作用として狭心症などの心臓病を発症するケースが報告されています。ただし、その報告数は少なく、発症する可能性はごく稀なものです。心不全や心筋梗塞といったその他の心臓病も極めて少ない例が報告されてはいるものの、明確な因果関係は判明していません。
ミノキシジルの服用方法
①内服薬
いわゆる飲み薬で、毎日時間を決めて服用します。自分の生活習慣に合わせて忘れにくいタイミングで飲むようにしましょう。
体内の血液中から毛根に働きかけることができるため、効果は大きいのですが、その分副作用などのリスクも伴う治療法です。実際には国内のほぼ全ての薄毛治療を専門とする医療機関で使用されてますが、国内で臨床試験が行われていないこともあり日本皮膚科学会などは内服を推奨していません。
一定のリスクを伴う治療法ですので、しっかりとした実績、知識を持ったクリニックで処方してもらうことが大切です。
②外用薬
頭皮に直接塗る、塗り薬が外用薬です。ミノキシジルの使用法としては一般的なものになり、1日2回程度、脱毛のある部位に直接塗布します。頭皮から薬が浸透していくことで毛根に働きかけて効果を発揮します。男女の治療でも高い評価を受けており、前述のように日本皮膚科学会による「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」で推奨度Aとされています。
いずれの治療法にせよ、たくさん飲んだり、たくさん塗ったほうが効果が高いというわけではありません。過剰に使用すると薄毛を悪化させたり、副作用が出たりするリスクが高まります。そのため、医師に定められた用法用量をきちんと守って使用しましょう。
ミノキシジルの入手方法
医師からの処方を依頼してください
基本的には医師に処方を依頼したほうが良いと言えるでしょう。
薄毛治療ではその人の体質や、薄毛の進行具合、また薄毛の原因がしっかりと分かっていないと効果的な治療方法を選ぶことはできません。クリニックであれば、ミノキシジルと併用して他の治療薬を処方してもらうことも可能です。
また、副作用や異常などが現れた場合、すぐに相談できるという点でも一度クリニックを受信して処方してもらうことが推奨されます。
薬局で買うことは可能?どのように選べばいい?
低容量(低濃度)のミノキシジル成分を含む外用薬は薬局でも購入できます。具体的には大正製薬の「リアップ」、ロート製薬の「リグロ」、佐藤製薬の「アロゲイン」などが挙げられます。
ただし、第一類医薬品という区分のため薬剤師がいる時間帯にしか購入できないことには注意してください。ちなみに、内服薬は国内で認可されていないため薬局では扱っていません。
外用薬を選ぶ際のポイントですが、ミノキシジルの濃度、成分、ノズルを確認するようにしましょう。
まず濃度は基本的には男性用が5%、女性用が1%となっていることが多いです。副作用などの観点からも自分の性別にあったものを選んだ方が安全だと言えます。
次に成分に関してですが、ミノキシジルが入っているかどうかを確認するのはもちろん、他の頭皮環境を整えるための成分が配合されているかについても確認しましょう。基本的には成分が多いと料金も高くなる傾向があるので、バランスを取ることが大切です。
そして、ノズルですが大きく「スプレーで噴射するもの」と「直接頭皮に押しつけるもの」に分けられます。スプレーの場合は手軽ですが、頭皮にしっかり塗るために工夫が必要です。頭皮に押しつけるタイプはしっかり濡れますが、薬剤が垂れてくる点はデメリットといえます。それぞれ一長一短あるので自分の希望に合わせて選びましょう。
また、ミノキシジルは継続して使用する必要があり、使用をやめると元の状態に戻ってしまうことも考えられます。そのため自分が続けられる価格帯のものを選ぶことも重要です。
個人輸入はできる?
結論から言えば個人輸入は可能です。しかし、大きなリスクがある点は意識に留めておいてください。とくに内服薬、いわゆるミノキシジルタブレットを個人輸入する際は危険です。
その理由ですが、まず国内で認可されていないため適切な飲み方が分かりにくいということが挙げられます。下手に高濃度のものを飲んでしまうと副作用のリスクが高まります。そして、品質を信頼できないことも個人輸入のリスクです。最悪の場合、偽造薬という有効成分の含まれていないものが紛れ込んでいるケースも考えられます。(厚生労働省からも注意喚起がなされています)
安全に治療するのであれば個人輸入はできるだけ避けたほうが無難だと言えるでしょう。
リアス銀座クリニックは薄毛専門のクリニック!丁寧にサポート致します
リアス銀座クリニックでは患者様に寄り添い、医学的根拠に基づいた発毛治療をご提供する薄毛治療専門のクリニックです。単なる治療に留まらず、薄毛の温床となる生活の改善、発毛に対する不安のケアまでを総合的にサポートいたします。
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また、薄毛は進行していくため継続的に治療を受けることが大切です。しかし、治療を続けるためには金銭的な悩みが付いて回ります。「治療したいけれど費用のことを考えてできない」という声は少なくありません。
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もし薄毛についてお悩みの場合は、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
今回はミノキシジルについて詳しく解説してきました。ミノキシジルは薄毛治療において強い味方ではありますが、副作用などのリスクがゼロではないということも覚えておきましょう。
安全にミノキシジルを使用するのであれば、まずは医師に相談してみることが大切です。
リアスクリニックではミノキシジルを始め、様々な薄毛治療を揃えております。もし薄毛にお悩みの場合は気軽に無料のカウンセリングからお申し込みください。
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