ドライヤーではげるって本当？　髪と頭皮を守る正しい乾かし方と薄毛対策も紹介

「ドライヤーを使うとはげるのでは？」と心配する声は多いですが、正しい使い方をしていれば、ドライヤーが薄毛やはげの直接的な原因になることはありません。ただし、使い方が間違っていると、髪や頭皮に過剰なダメージが加わり、抜け毛が起こりやすくなる可能性があります。つまり、使い方次第でリスクは大きく変わるため、正しい知識を身につけることが大切です。

ドライヤーの熱ダメージとは？薄毛や抜け毛に与える影響

「ドライヤーではげる」と言われる主な理由は、ドライヤーの熱ダメージにあります。ドライヤーから出る高温風は、毛髪のタンパク質であるケラチンを変性させることで、キューティクルを傷つけ、薄毛や抜け毛を引き起こすリスクをはらんでいます。特に高温での長時間使用は、毛根にもダメージを与えることとなり、髪の成長サイクルにも悪影響が及びかねません。

自然乾燥とドライヤー：髪にとってどちらが良い？

結論から言うと、自然乾燥よりもドライヤーの方が髪や頭皮に良いとされています。その理由を、両方のメリット・デメリットから紐解いてみましょう。

自然乾燥は熱ダメージこそ加わらないものの、髪が傷みやすい状態が続きやすく、頭皮や雑菌が繁殖しやすくなります。髪と頭皮のダメージを防ぐためには、洗髪後できるだけ素早くドライヤーで乾かすのがベターです。

ドライヤーによる薄毛や抜け毛を防ぐためには、正しい使い方を知ることが重要です。基本的には、次の流れ・ポイントに沿って乾かしてみてください。

1. しっかりタオルドライ
2. ドライヤーを低温に設定
3. 髪・頭皮から20cm以上離し、均等に乾かす

   
以下では、「タオルドライ」「設定温度」「距離」のコツを細かくチェックしてみましょう。

タオルドライでしっかり水分を取る

ドライヤーを使う前はタオルドライが欠かせません。タオルドライで髪の水分を十分に取っておくことで、ドライヤー時間と熱ダメージを軽減できます。タオルドライのコツは、髪をゴシゴシこすらず、優しく押さえるようにして水分を吸い取ることです。丁寧に行うことで、髪のキューティクルの損傷を防げます。
また、タオルドライ後の髪には、ヘアオイルを少量用いてみてください。髪がうるおいのベールで包まれ、ドライヤーの熱ダメージをさらに軽減できます。髪を健康に保ちながら効果的に乾かせるでしょう。

低温設定で乾かす

ドライヤーの設定温度は、60～80℃程度の低温がおすすめです。一般的なドライヤーの温度は100～120℃ですが、低温設定なら、髪や頭皮への負担を抑えられます。特に薄毛・抜け毛が気になる方は、温風モードと冷風モードを細かく切り替えるのも一案です。加えて、幅広い温度設定が可能なタイプや、自動調節機能が備わっているタイプにも注目してみましょう。

適切な距離をとる

ドライヤーの吹き出し口と髪の距離は、20センチ程度離すようにしましょう。近すぎると高温風が集中的に当たり、髪や頭皮へのダメージが過剰になる可能性があります。適度な距離を保ちつつ、頭皮には直接高温風を当てないように注意してください。

ドライヤーによるダメージは使い方次第で防げますが、まったくなくなるわけではありません。頭皮の健康が気になるなら、頭皮マッサージとヘアオイルによる保湿ケアをプラスしてみましょう。

頭皮マッサージ

まず取り入れたいのが頭皮マッサージです。頭皮マッサージには、血行を促進し、髪の成長を助ける効果が期待できます。毎日のケアに取り入れることで、薄毛や抜け毛、白髪の予防にもつながります。
具体的な方法としては、洗髪後やドライヤーを使用する前に、指の腹で軽く揉みほぐすようにマッサージしましょう。摩擦を防ぐためのマッサージオイルや、手の負担を軽減してくれる専用のマッサージ器具を使用するのもおすすめです。

ヘアオイルによる保湿ケア

ドライヤーによるダメージのうち、乾燥が気になる方は、ヘアオイルによる保湿ケアを取り入れてみてください。特にホホバオイルやアルガンオイルなどの植物性ヘアオイルには、乾燥を防ぐ効果が期待できます。さらに、オイルをなじませることで頭皮の水分が留まりやすくなり、乾燥によるフケやかゆみの予防にも有効です。
手順としては、洗髪後に数滴のヘアオイルを手に取り、頭皮に軽く塗り込むようにします。その後、髪の毛にも均等に伸ばし、ドライヤーで乾かしましょう。頭皮マッサージと組み合わせたり、シャンプー前にオイルパックとして使ったりする方法もおすすめです。

ドライヤー使用時には、設定温度や距離に加え、動かし方と時間にも気を払うことが大切です。髪・頭皮を傷つけにくい動かし方と時間の目安を確認してみましょう。

一ヶ所に温風を当て続けない

ドライヤーを一箇所に留めず、常に動かすこともポイントです。長時間同じところに高温風を当ててしまうと、キューティクルが傷つきやすくなってしまいます。髪全体を均等に乾かすことを意識し、髪の根元から毛先に向かって、ドライヤーを揺らすように動かし乾かしましょう。

ドライヤー時間の目安は10～15分程度

ドライヤーを使用する時間は、一般的に10〜15分程度が適切とされています。長時間の使用は髪と頭皮にストレスを与えるため、できる限り短時間で乾かすことを心がけてください。ショートヘア・毛量が少ない方は10分以内、ロングヘア・毛量が多めの方は15分程度など、髪の長さや量に応じて調整すると良いでしょう。

薄毛を予防するためには、ドライヤーの使い方だけでなく、日常生活での習慣を見直すことも重要です。バランスの取れた食事や十分な睡眠、ストレス管理、そして適度な運動が薄毛予防につながります。大事なポイントをチェックしてみましょう。

栄養バランスの取れた食事

髪の健康維持には、まず栄養バランスの整った食事が欠かせません。意識的に摂りたい栄養素は、以下の通りです。

• タンパク質：髪の主成分・ケラチンの材料。髪の成長と頭皮環境の改善に
• ビタミンA：ケラチンの合成サポート、頭皮の健康維持
• ビタミンB群：頭皮や毛母細胞の代謝促進、皮脂コントロール
• ビタミンC：髪のハリに関わるコラーゲン生成、抗酸化作用
• ビタミンE：頭皮の血行促進、毛母細胞の活性化
• 亜鉛：タンパク質の合成・髪の成長サポート
• 鉄分：頭皮への酸素供給、髪の成長促進

偏った食事や極端なダイエットは、髪の成長に必要な栄養素を不足させ、薄毛リスクを高めます。多様な食材を組み合わせた食事を心がけましょう。和食の定食スタイル（ご飯・味噌汁・魚・野菜・豆腐など）は、自然にバランスよく栄養が摂れる理想的な例です。

十分な睡眠とストレス管理

睡眠とストレス管理の質を高めることも、髪の健康を保つ上で不可欠です。睡眠不足や過度なストレスは、ホルモンバランスや自律神経を乱し、薄毛の原因となる可能性があります。反対に、上質な睡眠とストレスと無縁の生活は、髪・頭皮をすこやかに保つのに有効です。毎日十分な睡眠を心掛け、リラックスタイムや趣味の時間を持つことで、ストレス解消にも努めましょう。

適度な運動

適度な運動も、髪の健康を守るために欠かせない行動の一つです。運動により全身の血行が良くなると、頭皮にも十分な栄養素が届きやすくなります。特にジョギングやウォーキングといった有酸素運動は、心臓のポンプ機能を高めて末梢の血流にも働きかけるため、血行が促進されやすくおすすめです。運動を習慣化することが薄毛予防の一助となるでしょう。

ドライヤーを使用しながら髪と頭皮を健康に保つためには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。まず、タオルドライで髪の水分をしっかり取ることで、熱によるダメージを減らすこと。ドライヤーの温度は低めに設定し、髪から適切な距離を保ちましょう。さらに、頭皮マッサージで血行を促進し、オイルなどを使った保湿ケアで乾燥を防げるとベターです。これらの方法を上手く組み合わせることで、ドライヤー使用時の髪と頭皮への負担を軽減できるでしょう。